富裕層は低圧ではなく高圧太陽光発電所を買うべき。その理由は主に投資効率の良さと管理のしやすさ。購入時の流れと共にに見てみます。

まず、太陽光発電所の高圧、低圧とは何か?ですが、

太陽光発電所は発電出力の容量(パワーコンディショナー容量かパネル容量の小さい方)に合わせて以下のようにわかれています。

a.家庭用 (10kW未満)
b.低圧 (10kW以上50kW未満)
c.高圧 (50kW以上2000kW未満)
d.特高(2000kW以上)

ポピュラーな投資案件としてたくさん出回っているのは(B)の低圧のパワコン容量が50kw未満に抑えられた1基2000万円前後のものです。

今回のテーマはその中で上記(B)と(C)を比べてどうだという話になります。

高圧の発電所は、1メガのFIT単価32円のもので4億円前後と高額であったり、月次の電気主任技術者による保守点検が必要だったりで、取っつきにくいイメージですが、低圧複数ではなく高圧を買ってみて良かったと思えるところが多いのが率直な気持ちです。

自分の運用目標の一つに効率性(つまり、面倒なものは避けたい)もあるため、当初より高圧発電所も視野に低圧発電所(複数基)と高圧発電所をくらべながら見てきました。

その中で、低圧をたくさん買い進めるよりも高圧をドンといくつか買うことのメリットを実感して、途中からは高圧発電所のみをターゲットにして買い進めてきた中での気づきを本記事ではまとめたいと思います。

なお、低圧でなく高圧でやることの不安は色々聞かれますが、

高圧が低圧と比べておすすめなポイントは以下のような点かと思います。

    • 建設費用が安くなる(1kw 当たりの建築費で比較)
    • 管理費が安くなる (〃)(一括して電気主任技術者との契約などのコストを考慮しても安い
    • 交渉する余地がある (低圧は有無を言わさずに所与の条件で買うか買わないかの判断を求められるが高圧は交渉する余地があるケースが多い)
    • 上記の結果として、投資利回りが高くなる (課税事業者となって消費税を払うことを考慮してもベター)
    • 管理が圧倒的に楽である (同規模、同投資利回りであっても、低圧20基を運営する場合と高圧1基を運営する場合を比較)

 

高圧の発電所を買うべき方とは?

富裕層がポートフォリオの一部に太陽光発電所を数億入れる場合には、低圧をパラパラ買うよりも高圧の発電所がお勧めです。具体的申し上げると、以下の基準を満たす方は、高圧の発電所を買うことをおすすめします。

(1)太陽光発電所への投資を億単位で検討中
(2)キャッシュリッチで数千万円以上を頭金としてすぐに出せる
(3)意思決定が早い方(個人事業主、オーナー社長)

上記(1)から(3)を満たす方は、以下のような迅速なプロセスで買い付けを進めることができるため、稟議を用意して社内決済をとりながら進める法人や、融資を銀行と相談しながら進める個人よりも圧倒的に有利となります。

<例>
8月1日   案件の詳細資料を入手
8月2日   案件を分析&購入価格を決定
8月3日   売り手との交渉&ローン特約なしの指値

実際のところ高額な買い物であるため1日で分析を終えることはありませんが、信頼できる詳細資料が手に入る案件であれば、最速で上記のようなスケジュールとなります。

案件が売りに出てきて、早ければ二日後にはビシッと指値ができるのは、オーナー企業の社長さんや個人投資家くらいなのです。

それでは、高圧の太陽光発電所をゼロから買う場合の一般的な流れを見ていきます。

1)売電権利付の土地を購入

一つの実例で見てみます。埼玉県某所でパネル650kw、パワコン500kw、FIT売電単価36円、というスペックで、権利付土地売買が8500万円で売りに出てきた場合、素早く、工事単価や売電量のシミュレーションを行い、自分の利回りターゲットを確保できそうな価格を計算します。

高圧発電所の四千坪の土地
高圧発電所の四千坪の土地

繰り返しになりますが、ここで有利になるのは、すぐに意思決定可能でキャッシュリッチな方です。なぜなら、太陽光発電所は売り手市場でして、売り手は強気ですので、案件が出てきたらパッと意思決定ができて、かつ、手付金をすぐに払える(すぐに払う必要はありませんが、少なくともすぐに払える状態であることを公言できる)ことができる人が有利です。

私のとある知人は、かなりキャッシュリッチなため、全額キャッシュで権利付土地を適正価格で買いつけ、その後ゆっくりと施工の計画を練ってやりましたが、それが一番理想的な流れです。

私自身は何度も「これは買いたい」という案件の条件交渉中に、その知人のようなキャッシュリッチな個人あるいは法人にサラッと持って行かれたことが何度もあります。

そして、太陽光発電所投資の最大の難関が、この案件を押さえる(良い条件で間違いのない案件を契約する)ところです。適切な値段で、かつ、問題ない業者と案件を契約する事は、簡単なようで、かなりの労力・分析力と交渉を要する作業なのです。

そして、値段交渉(指値)をして、まとまれば、契約書を作成して手付金(1割かそれ以上)を払い権利を押さえます。

過去の実績がなかったり、銀行融資が不安だったり、工事費がわからない場合には、先に銀行交渉および工事費見積りを進める必要があります。

 

私のソーラーへの投資基準としては、国による20年の固定買取制度(=安定安心)であるのため投資効率を高めるためにレバレッジはできるだけかける方針で、投資リターンが20%(IRR)以上となる物件を探してきました。銀行借入のレバレッジを効かせて投資効率を良くさせるということです。

なお、注意が必要なのは、業者のシミュレーションや投資利回りは、発電量の前提にバラツキがあり異常にアグレッシブな業者もあるためあまり参考にはなりません。

例えば、同じような場所の物件が売りに出されているケースで、

A社は投資利回り「11%」
B社の投資利回り「9%」

となっていても、発電量の前提や過積載率、その他の細かいファクターを見てみないと単純に「A社の方が良い」物件であるとは言えません。

高圧太陽光投資で購入した4000坪の土地
高圧太陽光投資で購入した5000坪の土地

ですので、与えられた事実(金額、パネル容量、パワコン容量、場所)をもとに、年間発電量は自分で調整した値(客観的な数値や近隣の実績値)を使用して、現実的な利回りやキャッシュフローを分析します。

以下はとある600kw(0.6メガ)前後の案件の分析結果の抜粋です。

毎月の平均キャッシュフロー分析(単位:千円)

<年度> 1 2 3 4 5 6
売電収入 2,277 2,265 2,254 2,243 2,232 2,220
△コスト(保守、保険、土地) 121 121 121 121 121 121
△税金、地代 1,061 202 180 161 196 328
△ローン返済 905 905 905 905 905 905
税・費用後のキャッシュフロー 190 1,037 1,048 1,056 1,010 866

2)建築会社と契約をして、工事費(kw単価)が適切であれば契約と同時に銀行には資料をまとめて融資申込み。

銀行との関係がない場合には(1)の段階で事前に融資の相談をしておいて、どういった基準であれば融資可能かを知っておくと契約交渉がしやすいです。事前に融資枠を取れるのであればベストです。

紹介者が居た方が話が早く、融資を検討してくれる銀行へ紹介してもらえるかが成否のポイントとなります。

3)工事開始

造成後に工事開始ここからは特にすることもなく、たまに工事業者からの報告を受けながら、工事が予定通りに進んでいるか確認していきます。

遅れているようなら銀行融資のタイミングへの影響もあるので銀行担当者にもアップデートを入れていきます。


周りの地権者との調整、農転のプロセス、電力会社との接続などなど工事が遅れるファクターだらけですので、十中八九は予定通り行かないと覚悟した方が良いと思います。

4)工事完了&売電開始

初回の売電があった段階で会計年度を区切り消費税還付を申請します。

そして、とても大切な忘れてはならない点ですが、「経営力向上計画」という法律の適用を受け、当初3年間の固定資産税の1/2減免を受けられるように顧問税理士にお願いします。

5)保守管理 ~ 今後20年以上にわたって

不動産と比べて太陽光発電所が優れていることの一つに、メンテナンスがとても楽という点が挙げられます。やるべき事としては、日々の発電量をウェブサイトで確認して、あとは、たまに遠隔監視のカメラをiPhoneでみて雑草が伸びてきてるようだと管理会社に連絡したりするくらいです。

覚えておくべき点ですが、よく起こるのが、落雷による売電停止です。慣れてくると毎時の発電量の動きですぐにわかります。気づいたらすぐに保守管理主任技術者に電話を入れて駆けつけてもらい、復旧させます。

この対応が遅れてた場合、1メガ(売電価格36円)規模ですと6月の晴天時で1日の売電ロスが30万円くらいになってしまいます。

 

まとめ

資金に余裕がある、大きなポートフォリオを運用する富裕層は、低圧発電所をいくつも買うのではなく高圧発電所を買っていくべきであることを簡単に見てきました。

ご希望の方がいらっしゃれば、これまでの実績を基に購入前のコンサルをいたします。

Life is not a matter of chance, it’s a matter of choice!