率直に言うと、1億円あっても富裕層ではありません。「富裕層」を再定義します。

 いくら持っていると金持ちで「富裕層」なのか?は明確な定義があるわけではありません。

しかしながら富裕層とは?という話になった時には皆さんも見たことがあると思いますが以下の図がよく参照されます。

これは野村総合研究所(NRI)が毎年公表している富裕層の数のリサーチでして、富裕層の定義とそれに該当する世帯数は次のようになっております。

NRI調べ 2017年日本の富裕層数
NRI調べ 2017年日本の富裕層数

このリサーチペーパーによると純金融資産保有額(=資産から負債を差し引いた額)が1億円以上を「富裕層」、そして5億円以上を「超富裕層」としており、2017年時点の日本の富裕層(超富裕層を含む)の数は、126.7万世帯であったそうです。

つまり、人口が1億2000万強の日本においては、およそ100人に1人が富裕層(NRI定義)ということになります。結構な人数と割合だな、と言うのが私の率直な印象です。

しかし1億円の純金融資産を持つ人を富裕層として良いのかは個人的にとても疑問です。と言うか、1億円は富裕層へ向かう最初の一歩かもしれませんが、決して富裕層ではないと思っています。

なぜそう感じるのかですが、NRI定義の富裕層は、おそらく「1億円」と言う大台の数字の印象(「すごいお金を持っている!」)が「富裕層」と言う単語に紐付けられてしまっており、富裕層らしく生きるには最低必要な純資産額はいくらか?と言うあるべき観点が無視されているからだと思います。

それでは、なぜ1億円が手元にあっても富裕層とは言えないと思うのか、少し具体的な数字で見て見ます。

1億円をもつ人が毎年5%で運用できるとすると運用益は毎年500万円となります。

一方で、富裕層と言われる人々は、毎年海外旅行に行って外食はそれほど値段を気にせずに美味しいものを食べ、子供がいればお金を気にせずに習い事をさせるなど、生活レベルはある程度高いはずです。そもそも、そうでない人々は富裕層と呼ぶべきではありません。

一人暮らしでは年間1000万、家族(子供あり)では年間2000−3000万円の生活費はかかるのではないでしょうか。

そうしますと、1億円を持つ「富裕層(NRI定義)」の人では、毎年の運用益が500万円で生活費が2500万円(としましょう)ですと、毎年2000万円の赤字となります。赤字は自分の保有資産から支払うしかないので持っている1億円が毎年減っていってしまいます。そして、5年後にはゼロになってしまうのです。

もちろん給与所得や保有不動産からの家賃などの収入(フロー)もあるでしょうから、金融資産(ストック)がそんなにあっという間にはゼロにはならないかもしれません。

しかしながら、先ほど述べたような単純な例で考えるとわかりやすいのですが、本当の意味で富裕層と言われる人々がその生活レベルを継続できるような金融資産は「1億円」では全く足りません。

それでは、いくらあれば本当の意味での「富裕層」なのでしょうか。ストックのみの判断ではなくてフローも考慮した定義として以下を提案したいと思います。

(NEW) 富裕層の定義(NEW)

<A> 純金融資産が5億円以上の人々

あるいは

<B> 収入(フロー)が継続的に毎年5000万円以上の人々

あるいは

<C>純金融資産が2.5億円以上かつ収入が毎年2500万円以上の人々
(つまり、上記<A>と<B>の半々の人々)

なぜかと言うと、上記<A>の5億円を持っている方ですと、毎年5%で運用できたとして2500万円の運用益です。富裕層らしい生活費が毎年2500万円かかるとしても、なんとか運用益で生活費をまかなえるのが金融資産「5億円」の方々です。保有額がそれ以下ですと毎年保有資産が目減りしてしまいます。

そして、上記<B>のケースですが、フローが毎年5000万円あると生活費に2500万円かかったとしても毎年ある程度は貯金できる(=ストックも増加していく)はずです。

つまり、上記のどのケースも富裕層らしい生活をしていっても貧乏になることはありません。それが真の「富裕層」です。

そもそも「富裕層」って言葉は、そう言うあまりお金を節約せずにでも生きていける人たちのことを指すべきものではないでしょうか?と言うことから、本当の「富裕層」が最低限必要な金融資産を再定義させていただきました。

そして、本ブログで「富裕層」と言った時には、NRIさんが定義された純金融資産が「1億円」以上の方々ではなく、上記の通り「5億円」以上の方々を指したいと思います。

Life is not a matter of chance, it’s a matter of choice!